マリナーズ・ホーム開幕戦の朝のイチローへの感謝の言葉

03/28/2019 BY Feisty No.1

つよくあかるくたくましく生きるみなさまに向けて発信している Feisty Talk。今回は、GoFeisty!本拠地シアトルより、シアトル・マリナーズ2塁手、ディー・ゴードン選手が引退するイチローに宛てた感謝の新聞広告についてお伝えします。

今日は、2019年3月28日。
青い空に桜咲く春の穏やかな木曜日、シアトルは活気に満ちている。
「今年こそは!」と期待に胸をときめかせるシアトル・マリナーズファンの待望の日がやってきたのだ。

今日はシアトル・マリナーズホーム開幕戦の日。
セイフコフィールドから名称が変わったシアトル・マリナーズの本拠地、Tモバイルパークでボストン・レッドソックスを相手に記念すべき最初の試合が開催される。

ビタースイートなマリナーズ・ホーム開幕戦

シーズン開幕のホームゲームは、イベントも盛りだくさんだ。今日は、シアトルが誇るスーパースター、マックルモアが歌い、パールジャムのギタリスト、マイク・マックレディが国歌斉唱の演奏をするという。そして、引退を発表したイチローを称えるセレモニーも予定されているという。

「イチロー選手のプレイする姿は、もう見られない」

待ちに待ったTモバイルパークでのマリナーズ・ホーム開幕戦ではあるが、今日はイチロー選手の引退を現実として受け止めなくてはならない、寂しくやりきれない思いを感じる日でもある。誰もが来ることを恐れていたイチロー選手の引退。

「近いうちにあるかもしれないけれど、きっと、絶対、イチロー選手はもっともっと活躍できるようになる!」

そう、わたしたちは思っていた。
だから、今日・マリナーズホーム開幕戦の日を、多くの人々は、ほろ苦い思いで迎えたのだった。

そして、一気に感情が高まったのが、今朝の新聞を広げてのこと。
毎朝ボーッと眺めることが習慣となっているシアトルローカル紙 The Seattle Times に、こんな全面広告が出ていたのだ。

Dear Ichiro,

First of all, I want to say thank you for being a great friend to me and being my favorite player to this day.

Before I made the decision to play baseball, I remember looking at you and thinking to myself, “Damn, bruh skinny like me, so if he could do it, I most definitely can, too!” You made me want to play baseball. I idolized you as a kid in Avon Park. We even named a player after you in an old video game that came out before I was born.

I met you in 2004 in Houston at the All-Star Game. I remember walking across the field with my dad around 3p.m., and you were already there stretching and getting ready-at the All-Star Games!No one does that!

It seemed like everyone else was huge and hit homers, but you stayed true to yourself, your work, your process, and, most importantly, your culture. You showed me that I could do anything and everything I could possibly want to do in this game, even when literally everyone is twice as big as us!

Then, here comes 2012. The Dodgers are in Seattle playing you guys. I’m standing at shortstop watching every move you make, and I end up adding to your hit total. I got caught up paying more attention to watching you hit than actually playing defense! (Sorry, Dodgers, but that’s Ichiro, you know?)

The next day, you were traded to the Yankees before I could even talk to you about hitting. I was crushed, but then came 2015. I had just been traded to Miami, and a few days later, you signed there!

Now I’m jumping up and down, yelling to my best friend, ‘YO!!! I get to play with Ichi-bruh?! Like, are you serious? Me? No way!’ I remember going to Jupiter early, just hoping you were there so I could watch you hit and run. When you finally arrived, I nervously walked over to you and bro, you were so nice to me. You told me you would help me in any way possible. I swear, it hit me hard. To this day, I be saying ‘Yo! I play with Ichi!? How? I’m from little Avon Park!’

People don’t know how much you’ve helped me over these last five years, Ichi. We both know I’ve had good times, bad times, ups and downs, but your friendship has never wavered once. You always stuck by my side through anything, and always had my back. If I was wronged, you would stick up for me every time, even if it hurt you getting on the field.

I didn’t think a tweet or Instagram post was appropriate for this occasion, so I wanted to do it in the right way and tell you how much I appreciate you as loudly as possible. Without your friendship and guidance — and if you never told me your secrets (don’t worry, bro, I’ll never tell!) — there wouldn’t be a batting champion named Dee Gordon.

Love you, bro! You’re a part of my life forever. I hope you enjoy retirement. You better come hit with me on off-days because I’m definitely gonna miss that — and miss having you around to lean on.”

Your brother, DeVaris

(出典:The Seattle Times March 28, 2019)

THANK YOU, ICHIRO!

“THANK YOU, ICHIRO”
とのタイトルで始まるマリナーズ2塁手・ディー・ゴードン選手がイチローに宛てたメッセージが全面広告になっていた。

「今日まで素晴らしい友、そして僕の大好きな選手でいてくれてありがとう」

そう始まるこの手紙、ゴードン選手が心の底からイチロー選手を尊敬していることがよくわかる。

ゴードン選手が野球を選んだのは、自分のように体の小さなイチロー選手にできるのなら自分にだってできる!と思ったから。

イチロー選手に初めて会ったのは、2004年のオールスターゲームの時。
まだ誰も来ていないのに、午後3時に球場でひとりストレッチをして練習の準備をしているのを見て驚いたという。他の選手はみなガタイのいいのばかりで、ホームランを打っていたけれど、イチロー選手は、自分のやり方、自分自身、特に自分の文化に忠実に我が道を行っていた。ゴードン選手は、そんなイチロー選手から、ほかの選手がどんなにデカくたって自分にできないことはない!と学んだという。

子供の頃から憧れていたイチロー選手と2012年に初めて対戦した時には、イチロー選手のすべての動きに魅了されて守備に集中できなかったこと。
マイアミ時代にイチロー選手が移籍してくると聞いて大はしゃぎしたこと。大大ファンのイチロー選手に恐る恐る話しかけたら、とんでもなくナイスで、なんでもヘルプしてくれるって信じられない思いだったこと。
どんな時でも、イチロー選手が常にすばらしい友達として支えてくれてきたこと。

飾らない言葉で、ゴードン選手はイチローへの感謝をつづっていく。

「Tweet や Instagram で感謝しきれることではないと思ったから、正しい方法で、可能な限り大声で、あなたへの感謝を表現したかったんだ」

だからの全面広告。

国家の一大事もTwitterのつぶやきで済ますどっかの国の大統領とは違う、義理と人情の男なんだな、ディーン・ゴードン!

「あなたの友情と教えがなかったら、僕は強打者にはなれなかったよ」

そして締めくくりにはー

”Love you, bro!”
「愛してるぜ、兄貴!」

“Your brother, DeVaris”
「あなたの弟 デヴァリス(本名)より」

イチロー選手の後ろ姿を見て成長してきたゴードン選手が心の底からイチロー選手を慕い、敬う気持ちに溢れている。

イチロー選手の奇跡の軌跡

19年間アメリカ大リーグに身を置いたイチロー選手。
イチロー選手がシアトルマリナーズに入団した頃、
「こんな華奢な選手が大リーグで結果を出せるわけがない」
そうアメリカのメディアは冷酷な予測をした。

Ichiro proved them wrong.
イチロー選手は、黙々と自分ならではの仕事をするための努力をし続けた。
そして、イチロー選手は、メディアの「期待」を裏切り、華々しい結果を出した。メディアでの評価なんて、イチロー選手にはどーでもいいことだっただろうが。

イチロー選手を尊敬する弟分のメッセージには、彼の引退を華々しく彩ろうとするどんなメディアの記事よりも胸打つ真実がつまっていた。

ゴードン選手は、よく見ていた。
イチローの姿勢、
イチロー流の仕事の仕方、
イチローの「文化」にまで配慮して。

ここまで弟分に言わしめたイチロー選手の偉大さを再確認した。
ここまで弟分に敬愛されるイチロー選手の素顔を見てみたいと思った。

イチロー選手の有終の美を飾った新聞広告。
大事にとっておこうと思う。

イチローに学んでファイスティーにいこう!

努力すればなんでもできる。

逆境に負けず
自分を信じて
自分の強みを最大限に活かして

イチロー選手の生きざまは、まさにファイスティー。
わたしたちが見習うべき生き方です。

さあ、あなたも!つよくあかるくたくましく!
Let’s Go Feisty!


Feisty No.1

つよく あかるく たくましく 大きくはみ出で生きることがモットーの大女。三度のメシも酒も好き。保護犬サポート・F1・ブロードウエイでミュージカル・アリス・ハッピーアワーらぶ。Go Feisty! 主催。

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