【その2】反イスラエルの抗議活動はNO?イスラエル・パレスチナ紛争に揺れるアメリカの大学

04/19/2024 BY Feisty No.1

つよくあかるくたくましく生きる人の心と体の糧となる情報を発信している Go Feisty! 今日は、イスラエル・パレスチナ紛争に対して声をあげ、大学で抗議活動を行っているアメリカの大学生たちの現状について、3月28日配信の【その2】として伝えたいと思います。

娘が反イスラエルの抗議活動で逮捕された母親として、コロンビア大学で100人以上が逮捕されたというニュースは他人ごとではない。「捕まえるな!」「捕まえちまえ!」とTVの中から聞こえてくる二分するヤジを聞いて心が痛む。若者たちは、この時勢にどう対応したらいいのか。

SNSにはいくらでもパレスチナ人の死者の姿がある。
自分たちと同じ世代の若者が死んでいる姿がある。
動かぬ子供を抱えて泣く親の姿がある。
先日は、ガザでイスラエル軍の指示に従って移動をしていた欧米からの食糧支援ボランティアスタッフの車列が空爆され7人死亡。ジャーナリストも国連職員も医者も多数死んでいる。

世論は2023年10月7日ハマスによるイスラエル奇襲攻撃直後とは違う。
西欧諸国が支援するテロリスト組織ハマス退治を目的とした紛争は、パレスチナ33000人以上の命を奪いそのうち70%が女性と子供という。民間人を殺すな!そんな非人道的な紛争をやめろ!と声をあげて何が悪いのか。

10月7日の奇襲攻撃は許されない。
しかし「手を出したほうが悪いから」といつまでも殺し続けるのか?
「ハマスが民間人にまみれているから」で見境なくパレスチナ人を殺し続けるのか?

アメリカは、イスラエルに対し人道支援と民間人の安全を訴えはじめた。
しかし同時にイスラエルに殺傷能力の高い兵器の供給をし続けている。

この矛盾に学生たちは声をあげているのだ。
大学生がキャンパスで行っている抗議活動のコアメッセージは、大学に対し「イスラエルに兵器を供給している企業との関係を絶て!」というもの。大学が実際にそのような企業に投資したり寄付をもらったりといった関係があるから、それを絶てと訴えている。それが自分のいるコミュニティーでパレスチナ人のためにできることだと信じているから。

これを 反ユダヤ主義(Antisemitism)だとして、大学での反イスラエル・抗議運動が罰せられている。

わたしにはこの解釈が解せない。
「反ユダヤ主義」は、19世紀後半にヨーロッパで高まったユダヤ人排斥論。
ユダヤ人に対する人種的、宗教的、差別・偏見。
その長い歴史にはユダヤ人の迫害、殺戮がある。恐ろしいヘイトクライムの歴史の痕跡だ。

今、学生たちが訴えているのは、反ユダヤ主義だろうか?

パレスチナの人々の命を救いたい。そのために自分たちができることを考え、大学から変えようとキャンパスに座り込んで声をあげている。ユダヤ人に対しての抗議活動ではない。ヘイトクライムではない。

はい、これがわたしの解釈。

しかし、「アンチわたしの解釈」の人々は、抗議をしている「反ユダヤ主義」学生たちをだまらせろ、退学させろという。イスラエル、ガザの歴史も知らずに何をいうか!と怒りをあらわにしている。

アメリカ連邦議会は、反イスラエル・抗議活動が盛んな大学の長を呼び出し、反ユダヤ主義を容認するのか、対処するのか、と追及してきている。各地の大学でユダヤ人いじめが増加し、ユダヤ人学生は身の危険を感じているという。学長たちは、いじめは認めないが、抗議活動などは学生の言論の自由を尊重しなければならないと言う。大学経営のためには多額の寄付をしているユダヤ系の支持を失いたくない。政府の援助も失いたくない。お茶を濁して済ませたい。

名門ハーバード大学、ペンシルべニア大学の両学長は辞任に追い込まれた。
大学内で行われている差別的な反ユダヤ主義をはっきり否定しなかったと批判が高まったから。

そんな背景がある中、今日の事件が起きた。
昨日議会に呼び出しをくらったばかりのコロンビア大学の学長は、議会でも弱腰だった。そして、パレスチナの旗を掲げキャンパスで座り込み抗議活動をしていた学生たちをニューヨーク市警に排除するよう求め、学生たちは逮捕された。何台ものバスが用意され、次々と連行されていった。

「学長よ、よくやった!あんなやつらは退学させろ!」
「学長をクビにしろ!強権的な言論の自由の抑圧だ!」

そしてまた二分する意見。

今日の大量逮捕は、わたしには、権力と金(寄附金)に屈した学長のパフォーマンスとしか思えない。
これで自分の首がつながったと思っているのだろうか。

今週 “Stop the World for Gaza” をスローガンに、  ハイウエイや空港への道を封鎖し、パレスチナの旗を掲げた抗議活動が全米各地で起きた。これもまた二分する意見があり、それはあたりまえだが、これも法で罰せられる行為だが、ヘイトクライムではない。

ヘイトクライムは犯罪だ。
抗議活動の大義からはずれ、ユダヤ人へのヘイトクライムを犯しているやつらがいるから、「パレスチナに自由を!」と声をあげると反ユダヤ主義とのレッテルを貼られてしまう。裁く力を持つ人は、その違いをちゃんと見極めてくれ。

反イスラエル・抗議活動と反ユダヤ主義は、別モノ。
今行われている反イスラエル・抗議活動は、パレスチナ人を救いたい思いを訴えている。

抗議活動は言論の自由に基づき、状況改善のために意見を主張する手法だ。
民主的な社会において重要な権利だ。

まっとうな学生たちは、イスラエルに兵器を供給している企業との関係を絶て!と声をあげているのだよ。ハマスなんて支持していない。ユダヤ人を差別していない。民間人が死ぬのが見ていられないから何かできることをしたいんだ。まっとうな抗議を権力でつぶすなよ。大学は自由に異論を唱えられる場所だろうよ。

逮捕された娘の団体が出した声明文を思い出した。

「極端な対立が起きるときにこそ、表現の自由や異なる意見を持つことが最も大切にされるべきだ。
私たちの多くは、日々目にする流血や苦しみにどう倫理的に対処すべきか悩んでいる。
危機に対処する方法について意見が分かれるかもしれないが、強制された沈黙や服従は、有効な解決策ではない」

パレスチナ vs イスラエルは根深くて、彼らの血が入っていないわたしは、きれいごとをいっているのかもしれない。しかし、わたしも若者たちも今の時勢に対して意見がある。昨日も今日もそして明日もあたりまえのように罪のない人々が殺されているのを止めたいのだ。異論があれば民主主義的に意見をいいあえばいい。相手を否定、差別する行為からは何も生まれない。力づくで黙らせても解決にはならない。キャンパスで座り込みをしている学生となぜきちんと向き合わない?なぜ警察を呼ぶ?

コロンビア大学の逮捕者は、即刻停学になったらしい。
これからもっと学生たちは声をあげていくだろうか。
アメリカの大学は、学生を逮捕し続けるのだろうか?

これを読んだあなたは、どう思うでしょうか?

後日編【その3】は、こちら
https://gofeisty.com/trendings/studentportest/

Feisty No.1

つよく あかるく たくましく 大きくはみ出で生きることがモットーの大女。三度のメシも酒も好き。保護犬サポート・F1・ブロードウエイでミュージカル・アリス・ハッピーアワーらぶ。Go Feisty! 主催。

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